PFさんから小説をいただきました!
今日はエイプリルフール。さて、どんな嘘でリンクをからかってやろう。ーーゼルダは陽気に廊下を歩く。
「私は偽者のゼルダ。本物は連れ去った。フハハハハ!!……うくく…。こういうのも…ありかも…。」
ゼルダは熱心にメモを取る。メモの名前はこうだ。
【リンクをからかう100の嘘】
すでに半分以上は書かれた後が見られる。メモ自体も年期が入っており、消えかけているが2002〜2008という文字が見える。
6年間もこうしてリンクをからかっていたという事か。
「後17個…17個で全部埋まる…。でも、これだ!!って案が無いのよねー……城の図書室で本でも読んで考えよ。」
ゼルダはくるっと後ろを向いて図書室に向かう。全てはリンクへの権力を使った壮大な嘘の為
FreeNovele・エイプリルフール(リンゼル)朝の章・
ゼルダは図書室で熱心に本を読む
【メシュリンと剣士】
本には乙女チックな絵の上にこう題名が記されている。
「ふむふむ…。メシュリンというお姫様は自分が既に結婚しているという嘘で剣士をからかったのね…。
…でも相手は本気にしてしまい…今までそうとは知らずいたらぬ事をしたとあやまる。
嘘だと慌てて言おうとしたら剣士は馬に乗ってどこかへ行ってしまう…。
本当は両思いなのに変な嘘のせいでこうなってしまったのか…。
リンクに恋人がいるなんて行ってもバレるし…オホン…。」
ゼルダはかるく喉を鳴らすと、目をキラキラさせ手を合わせリンクがそこにいるように言う。
「姫として…私は他国の結束を高める為にミスリンに行かなくてはならなくなったの…。
(※裏声)最低でも5年…いえ、10年は会えなくなってしまうかもしれないわ。
(※裏声)…でも、私はあなたの事忘れない…。(※裏声)だからあなたも…あたしの事…うんうん。
これ以上言ったら別れが辛くなるだけ。じゃあね、リンク…。(※裏声)…ぷぷぷ…驚き慌てるリンクの顔が見物だわ。
…でも、心配しなかったらどうしよう…。うんうん、違う!!これはただの嘘じゃ無い。試練よ!!」
ゼルダは立ち上がり、グッと手を握りこう思うのだった。
【そう、これは…恋の試練!!!!!】
…その後頬に手をあて顔を赤くしながら体をくねらせる。その様子に衛兵がビクッとした目でこちらを見たため、
顔を真っ赤にさせて手を机の下に隠してちぢこまってしまった。
朝食を取ったゼルダは、人目をまったく気にせずスカートを持って一目散に走る。
当然一国の姫が1人で一目散にかけて来るものだから、村人は姫に釘付けとなる。
そんな中で人目をまったく気にしてないのだから、今のゼルダは相当興奮していたのだろう。
リンクの家に着くと、スーハーと2、3回深呼吸してからドアノブを回す。
「リ…リンク…?」
少し考えた様子でリンクを呼ぶ。何かを言うまいか言うか考えている顔だ。
無論顔を作っている事は言うまでも無い。その呼び掛けに心配したようにリンクが言う。
「どうしたんですか…?ゼルダ姫…?」
その目には疑いの予知は無く、本気で心配しているようだ。
その様子に内心これなら試練は大丈夫そう…とほっとしながらも計画を実行する。
「あのねリンク…。私は姫として…他国の結束を高める為にミスリンに行かなくてはならなくなったの…。」
悲しそうにゼルダが言うと、リンクはただだまって俯むく。口は悲しんでいるのか怒っているのか分からなかった。
「最低でも5年、いえ、10年は会えなくなってしまうかも知れない…。…でも、私はあなたの事忘れない…。
だから…だからリンクも…私の…私の事…うんうん。これ以上言ったら別れが辛くなるだけ。
じゃあねリンク。せめて…私が帰ってきたら…笑って…笑って迎えて…。」
そう言ってゼルダはリンクから顔を背けると、涙を浮かべてドアノブを回し外に飛び出す。
そして勢い良く駆け出して城内の庭園へ向かう。飛び抜けるように場内に入ると空を見て大声で笑う。
「アハハハッ!!ひぃ、ひぃ、さてリンク君…どうするかな…?今年こそ、エイプリルフール大成功!!」
そう言って空に向けてガッツポーズをする。そしてゼルダは笑いを堪えながら城の中へと入る。
城の使いの者に、ミスリルの使いのフリをして王と話しなさい。王には私から言ってあるから。
と命令すると、自分は部屋の中へ閉じこもってしまった。リンクが来た時の作戦という訳か。
その後読みが的中した様に3時間後リンクが来る。しかし、何故かゼルダは顔色が思わしく無い。
「……遅い…何してたのさ…。」
そうゼルダがぼやいていた頃、リンクが階段を駆け上がりゼルダを呼ぶ。
「ゼルダ姫〜!!ゼルダ姫〜!!」
その様子にゼルダは不慢な気持ちも治まり、満足そうに部屋で泣くフリをする。
「うっ…うっ…。」
リンクはもう一度呼ぼうと息を深く吸う。その様子に衛兵は静かにしろ!!と怒鳴り付ける。
今ミスリルの使いの者と王が話しておられるのだ。そう衛兵が言うと、それならばとゼルダの部屋に掻ける。
「あっ!!待たんか!!」
衛兵が無論それを止めるが、勢い良くリンクは掻けるとどこかへ行ってしまった。追い掛けなかったのはゼルダの指示だった。
「まったく…姫は…場内全員に迷惑をかけてあの青年を騙すおつもりか…。」
リンクはゼルダのへやの前に来ると、もう一度今度は小声でゼルダを呼ぶ。
「ゼルダ姫?リンクです。」
リンクがそうゼルダを呼ぶと、ゼルダは泣きながらでリンクに言う。
「こないで…来たら…別れが辛くなるでしょ…。」
そうゼルダが言うと、リンクは今度は笑顔で言う。
「大丈夫ですよ。ゼルダ姫。」
「え?!」
予想外の反応にゼルダが驚いた様に言う。そんなゼルダにリンクは告げる。
「俺も…一緒にミスリルに行く事にしましたから…。もう荷物は運んであります。
今日の夜馬でミスリルまで行きます。だから、ずっと一緒ですよ。ゼルダ姫。」
「え?!待ってリンク!!」
ゼルダが思わずリンクに言う。その様子に笑ってリンクは言う。
「心配しないでも、またいつでも会えますよ。」
「違うのリンク!!あれはね…。」
リンクはその言葉を聞かずにどこかへと走りさってしまった。その事に1番驚いたのはゼルダだ。
まさか自分の付いた嘘がここまでの事になるなんてーーその考えにはっとなる。
あの本の内容と…今のあたしまるっきり一緒じゃない……ーーゼルダが嘘で無い悲しみの表情を見せる。
ダン!!ゼルダは勢い良くドアを開けると、一目散に走りだした。今日の夜までにリンクに全てを話さなきゃ…。
じゃ無いと…もう…もう2度と…リンクに会えなくなってしまう!!ーーゼルダは靴を履くのも忘れ駆け出す。
足が勝手に動いてしまっていた。足は勝手に動き、前はろくに見えない状態。
そこまで走ってないのに心臓の音は止まらない。
だが、何故かいつもより声が鮮明に聞こえていた。彼女は廊下で衛兵と王の話を耳にする。
「本当にいいのですか?あの青年の…。」
衛兵が王に何かを聞くと、その話の途中で王は衛兵の口を塞いだ。
「言うでない。姫にばれる。」
ゼルダは衛兵達の横を無我夢中で走る。だって…その話知ってる…
リンクに、リンクにもう2度と会えなくなっちゃうんでしょ!!
ーー彼女は手を握りしめ無我夢中で走る。暦は四月一日、エイプリルフール
・昼の章・
「リ、リンクはどこ?」ゼルダがリンクの荷物を運んでいる男達に言う。男達は互いに目を見合わせて言う。
「こんな時間からいったい何用ですかい?プリンセス。」
そう1人の男が冗談をもらすと、周りの男達は笑い出した。
バカにされたような態度に、珍しく頭に血を登らせて男達に食って掛かる。
「ふざけないで!!リンクはどこ?!言わないと…お父様にこの事を…。」
男達はそんなゼルダの様子にうろたえながら答える。
「でも…俺達は国王様の命令で口止めされてるんだが…。いくら姫君がそう言われたとしても言う訳には…。
それに、何があろうとこの荷物運ぶように言われてるんで。」
それを聞いたゼルダの顔がみるみるうちに青ざめて行く。
「…お父様が…。そんな…。」
ゼルダはうなだれたように言う。
「本当だぜ。何なら国王様に直接…。」
そう男達が言いかけた時にはゼルダは勢い良く駆け出していた。
(お父様が…。何で…。何で…リンクを…!!)
ゼルダの頭の中は怒りで一杯になる。残された男達は目を合わせ言う。
「ったく、何で国王様は俺達にあんな事を…。怒鳴られる俺達の身にもなれっての。」
「ああ、まったくだね。」
ゼルダは勢い良く走って王宮へと後戻りする。そんなゼルダに王は言う。
「どうしたんだ、一国の姫とあろう者がはしたない…。そんなにお前が村とここを行き来したら国民も安心出来んだろうよ。」
「ふざけないで!!リンクはどこ?!何故男達にあんな事を…。」
そんなゼルダに非常な顔をして王は言う。
「お前も一国の姫だろう。国を救った英雄というのは分かるがあれはただの村人だ。お前とつり合うはずも無い。」
ゼルダは怒りで顔を真っ赤にして王に言う。
「じゃあ…そうなる事を計算済みであんな演技を取ったの…。リンクと私を離れさせる為に…。」
王は当たり前に言う。
「そうだ。リンク君には悪いが、お前もそろそろ大人になる頃だと思ってな。ミスリルの王子と結婚させようと思っている。
お前もこうは考えていなかっただろう…。嘘が、こうまで本当になるなんて…。」
ゼルダが王に姫としての礼節を忘れ言う。
「本当にそれでいいと思ってるの?!それで私が幸せになると…。……どうやら、お父様とは私は合わないようね…。
…国民も…これを知ったら失望するでしょうね。じゃあね、王様。」
そう言ってゼルダはドタドタと自分の部屋に入ってしまった。
王は、ゼルダに声が聞こえなくなったのを確認してから衛兵に向かって言う。
「娘はこの世で1番怖いな。」
衛兵は笑って言う。
「そうですね。」
部屋ではゼルダの泣く声が聞こえていた。
「ひぐっ、えぐっ、リンク…。」
そう言ってゼルダはシーツを掴む。そこには普段の強気なゼルダの姿は無かった。
その声を下からホースを使って聞いていた青年は言う。
「少し…やりすぎたか…。でも、夜が楽しみだな。」
青年はホースをしまうと、馬を手配して泉に向かい走る。暦は四月一日エイプリルフール。
・夜の章・
ゼルダは、夜食を一口も取らず部屋のドアノブを回して濡れた枕に向かい頭を被せる。
しばらく彼女は黙った後、シーツをきつく握りシークへと変身して窓から飛び下りる。
「……。」
そのまま出来るかぎりの全力疾走で夜のハイラルを掻ける。
息は荒く、心臓の音は遠くにいても聞こえてきそうなくらいだった。
彼の魔法はいつの間にか消え、ゼルダへと姿を変えていた。ただ一語のみを風に乗せる。
「リンク…リンク…。」
そんなゼルダの様子を遠目で見守る男が2人。
「…とうとうパパ離れか…。」
前に立っていた男が涙ながらに言う。
「ぜぇ、ぜぇ、こんな遅くに何してんですか。仮にもあんた国王でしょ!!
姫なら大丈夫ですよ、相手があのリンク君ですからね…。
それに追い掛ける身にもなって下さいよ…。」
鎧に身を包んだ男が言う。国王は衛兵に肩をかけて言う。
「娘は…この世で1番愛しいものだな…。さて、今日は一杯やるか…。」
衛兵が微笑んで言う。
「ご一緒します。」
男達は笑いながら夜の闇の中に消えていった。
ゼルダが泉に付くと、そこには誰もおらず、泉には半月と星星が波打ちながら輝いていた。
ゼルダは目に涙を浮かべるとただ泉を見ていた。ゼルダが後ろを向いて、帰ろうとすると何かにぶつかって退く。
「…こんな時間に誰が……。…ゼルダ姫…?」
紛れもないリンクだった。
リンク月明かりで照らされた姿を見ると、子供がねだるように抱きつく。目には涙が溢れていた。
「リンク、リンク…お願い…行かないで…。」
目には涙を浮かべ、頬は赤く照らされていた。リンクは驚いた様に言う。
「でも…どうして…。」
ゼルダは涙ながらに言う。
「今日…エイプリルフールでしょ…だから…あなたに嘘付いて…うっ…ひぐっ…あなたに…嘘付いて…だから…。
行かないでリンク…。私は地位も何もいらないから…。一緒に…。一緒に…。」
涙を浮かべ、必死に訴えるゼルダに向かいリンクは耳元でそっと優しくささやく。
「心配しないでもまたいつでも会えますよ。」
ゼルダが驚いたようにリンクを見る。リンクはそっと頬に手をそえると唇を優しく塞いだ。
「んっ…。」
ゼルダが驚いた様にそう言うと、リンクは笑ってそっと唇を離して耳元に口を合わせてそっと言う。
「今日はエイプリルフールですよ。姫。」
ゼルダはキスの余韻に顔を赤くして黙っていたが、しばらくして顔をさらに真っ赤にさせて言う。
「じゃあ、最初から騙してたのね…。どうりで変だと思った…。」
怒りを相当な努力で抑えてるのが分かる。普段のリンクなら勘付いて逃げ出すだろう。
しかし、今のリンクは気付かず微笑む。
「だって、今日ぐらい可愛い姫でいてほしかったんだもん。」
ゼルダは怒りを爆発させたように微笑むとリンクの耳元で囁く。
「リ〜ンク〜?ちょっと、来て。」
リンクはドキドキしながらゼルダに近付く、
しかしゼルダはそんなリンクの手をロープでしばり足を掛け扱かすと針と鞭を手に取る。
「えっ、嘘っ、ゼルダ姫?……ってか拷問道具常備…。ああああああ!!!!!!」
静かな夜に青年の悲鳴が轟く。水面は静かにゆれていた。暦は四月一日エイプリルフール。
PFさんからまたまた小説をいただきましたvv
うん、やっぱりあれだよね・・・女って怖い(ぇ
でもクライマックスにラブい展開があってかなりうれしかったりwwww
ゼルダ、ちゃんと愛されてるよ、よかったねw
まあ、最後のオチは姫らしいといえばらしくて(?)好きですww
PFさん、素敵小説をありがとうございました〜^^