お礼小説:かけそば
気が付くと…俺はまったく別の世界にいた。何でこんな所まで…しかし、それを見つける手がかりは無い。
何も知らないまま、別世界へとワープしてしまったのだった。
「……今乱闘してたよな……。」
そう呟くも、頷く人はいない。彼を知ってる人などこの世界にはいるはずも無かった。
「……ギュルルルルル……。!!」
気持ちより先に腹がピンチのようだ。無理も無い、さっきの乱闘中何も食していないからえだ。
「とりあえず…腹ごしらえにでも行くか。」
彼はのたのたと歩きはじめる。どこで食にありつけるか知りもしないで。しかし、彼は案外速く食す事になる。
何故なら幸運な事に彼の目の前にあるのが屋台だったから…。リンクは匂いに釣られるがまま、屋台の中へと入る。
その様子を、不気味に段ボールが目撃していいた事に気付くのはもう少し後の事だった。
リンクが屋台という物を知りもせず、匂いにつられて店に入る。
目の前にはうまそうなかけそばが…。リンクは勢い良くかけそばにありつく。
「…ん。うまい…。」ゴクゴクゴク…
汁まで飲み終えると、礼を言ってさろうとした。
しかし、後ろから勢い良くエプロンのような物をかけたおばさんがかけよってくる。
かけそばをくれた人だろうか…。礼を言おうとした時、おばさんの後ろから何やら青い服の人がリンクに詰め寄る。
「え?!何?!……あ、そうかお金。ただな訳無いですよね。
んと、ルピーじゃ駄目ですし、コインを集めた時のお金で。」
平成の現代ならこれでリンクが許してもらってそこで終わりとなるだろう。
しかし…この世界は現代では無い。
ここから戦いが始まる…。そして、リンクが青い服を着た人に連れていかれたその時。
段ボールがひっくり返された。
「……待たせたな!!……ここが現代と似ているとしたら、リンクを取り戻せる場所はただ一つ。
行きましょう。ゼルダ姫。法定で戦うのです!!」
「なんでこ〜なるの?さっきの変な店みたいなのお金とる所だよな。お金払おうとしたのに…。……なんでこ〜なるの?」
リンクは手錠を駆けられ、牢屋に入れられてしまった。しばらくして、
青い服を着た人が表れ、リンクの手錠を引っぱり外へと歩きだした。
「……どこかの物好きがお前の無罪を主張しやがったんだ。さぁ、来るがいい。」
「え?!それって…ゼルダ姫…。」
リンクの脳裏にゼルダ姫の姿が浮かぶ。ああ…ゼルダ姫が俺を…助けてくれるのか…もう安心だ…。
そんな事を考えていると、青い服を着た人が突然立ち止まった。
「今回お前の無罪を主張して下さるありがた〜い弁護人だ。まぁ、ただの物好きだがな…。」
「……リンク、頑張れよ。」
目の前にはヒゲを生やしたおやじ。そこでゼルダ姫との妄想がスネークに変わる。
ゼルダ「リ〜ンク〜大丈夫。頑張ってねリンク。」
ゼルダ「リンク、良かったわね!!」が…
スネーク「リ〜ンク〜大丈夫。頑張ってねリンク。」
スネーク「リンク、良かったわね!!」に…
「うわぁぁ!!おやじィィィ!!!!」ドカッ!!
気が付くとリンクはおやじに熱いキックをあびせていた。
「ぶはっ!!…え?なんで、俺蹴られ損じゃね?俺助けてあげようと思ったんだけど。何で蹴られんの?……おかしくね?」
「だって…ゼルダ姫じゃ無かったから。」
「え?ゼルダ姫…あ、そういう事か。大丈夫。俺が主張する本人だからいるだけでゼルダもいるから。」
リンクは心の底から安堵する。
「良かった…。」
これでさっきのも…。
ゼルダ+スネーク「リ〜ンク〜だいじょ…」
「うわぁぁ!!やっぱりおやじィィィ!!!!」ドカッ!!
またもや熱い蹴りである。
そして法定に。弁護人はゼルダ、スネーク。起訴側は…おばさん青い服の人17名に、何かの作業員が37名。
まさに絶望的である。
「…こりゃ無理だろ。リ〜ンク〜大丈夫?!大丈夫じゃねぇよ。
いやいやいや、ゼルダ姫が何とかしてくれる。安心しろ。いやいやいや…。」
リンクは心の中で戦っていた。その時裁判官がカンカンカン!!と鐘を鳴らす。
「静粛に、これから裁判を始める。まずは弁護人から。」
そう裁判員が言った時、リンクはゼルダ姫の方に視線を集める。ガタッ!!そう音が鳴る。立ち上がったのはスネーク。
(だから何でおやじだよ!!!)
リンクは心の中でスネークに起訴する。しかし、そんな事知りもしない哀れおやじ。必死に弁護する。
「リンクは、かけそばを勝手に食べた罪については有罪だ。
しかし、お金は持ってるし、何倍かにして払えば罪には問われないはずだ。
それに、かけそばごときで逮捕するのは間違っている。」
スネークがもっともらしい発言をする。しかし、それをおばさんは否定する。
「確かにかけそばの屋台ならね…。でもあそこは屋台じゃ無い。かけそば展示店何だよ!!おやじィィ!!!」
その一言に1番ギョっとしたのはリンクでは無くスネークである。当然、彼のいた世界ではアホらしくてありえないからだ。
「かけそば展示店なんかあってたまるか!!何だよかけそばって!!んなもん展示するんじゃねーよ!!
冷めるだろうが!!そばはあったかいうちに食べるのが1番何だよ!!これがビールとも合う…。」
リンクが心の中でスネークに思う。
(消えろおやじィィィ!!!弁護になってねーじゃねーか!!!)
その意見におばさんが突然かけそばの写真を取り出して見せつける。
「あんたらが何と言おうとね、かけじろうは帰って来ないんだよ!!かけじろうは!!!」
「ううっ、ぐすっ。」
周りにいた民衆が泣きだす。しかし涙を一つも見せない者が二人いた。おやじとリンクである。
(そばに名前付けてんじゃねーよ。何かさびしいじゃねーか。)
初めて二人の意見が一致した瞬間だった。しかし、ゼルダ姫はまったく別の表情を見せる。
「ううっ、ううっ、ぐすっ。」
(泣いてるゥゥ?!!ゼルダ姫泣いてるゥゥ?!!)
もはや望みはついえたとリンクが絶望にひたっている時ゼルダが口を開く。
「なら、ならかけじろうに変わるかけそばを…新たに作れば罪は許してもらえるんですね。」
「ああ、かまわないよ。」
その言葉にリンクの表情が希望に変わる。
(ゼルダ姫なら料理は大得意!!やった〜無実だ〜!!望んでいた…ゼルダ姫が俺を救う結末…)
そして、ようやくゼルダ姫が調理をし終えたようだ。リンクが安堵の顔で出来た物を見つめる。
(………あれ?それ……うどんじゃねーかァァァ!!!!!!)
民衆から激怒の声がこだまする。当然である。
「誰がうどん作れって言ったァァ!!!!」
「かけそばだろ!!かけそば!!」
「作れねーなら言うんじゃねーよ!!」
「うどん女!!」
「うどん女!!」
民衆からうどんコールがこだまする。しかし、その声をゼルダ姫の一声で静止させる。
「うっせーな。静かにしろ。カス。」
民衆がすぐに土下座のポーズを取る。
「すんませんでした!!」
「分かればよろしい。正直リンクとかどうでもいいんだけどよ。」
(あれ?どうでもいいって言った?俺どうでもいいって言った?)
「私の事暴言する奴は許さないからね。」
その一声に会場がし〜んとし、誰1人として土下座のポーズを止めない。
……リンクが目をこらして見ると、土下座しているのは民衆だけでは無かった。
「………。」
(消えろおやじィィィ!!!!)
しばらくし〜んとしていた法定で、裁判官が鐘を鳴らし答える。
「被告人に罪を言い渡す!!……PFをリンクせよ!!」
その罪を笑っていたのはまぎれもないPFだった。
「何て軽い罰だろう。ね、リンク。」
そう言ってリンクを見る。
「そんな…死よりも重い罰を…。」
「え?嘘、リンク君。」
PFは期待をよせて、ゼルダを見る。
「…そんな…いくら何でも罰が重過ぎます!!」
「え?嘘、そんな…。お、おやじ?」
「なんて…なんて罰を…素直に、素直に死んだ方がまだマシです!!裁判官!!」
「え?嘘、裁判官〜?」
「許してくれ…罪には…罰なんだ…。」
「………。ぶっちゃけこれって自分が1番辛いよね。」
完
PFさんから相互小説をいただきましたvv
もう、本当に文章力がすごいの一言に尽きます・・・!
リンクが理不尽にも裁判沙汰にされ、その危機を救おうと立ち上がったメンバーに
スネークがいるのが最高ですwww
あと、姫の強さには誰もが恐れるくらいですねwwwww素敵だ・・・姫(ぇ
PFさん、素敵小説をありがとうございました〜^^