―姫様と一緒w―


ざざーん、ざざーんと耳に入る波の音。 日も暮れ始めた海岸を歩く男女―――ルルーシュとC.C.。 差し出されたルルーシュの手を握って一緒に歩く姿は正に美男美女のカップルといったところ―――会話さえ聞かなければ。 「痛いぞ、ルルーシュ。いい加減に手を放せ」 「―――黙れ、魔女」 やや呆れながら告げるC.C.の言葉をあっさり断ち切るルルーシュ。 心なしか怒気が含んでいるが、それは正当なもの。 そもそも、現在海岸を歩いてはいるが本日は休日でもなんでもない普通の日であり、 本来なら課題をするなりナナリーと遊んだりしているはずなのだ。 それが、C.C.の『幻のピザというのを探しに行くぞ』の一言で授業をサボり連れ出される羽目になったのだ。 ルルーシュでなくとも怒りを覚えるのは当然であろう。 加えて、ルルーシュが怒っている要因がもう一つ。 先のピザの情報がガセであった、というのもあるが、その腹いせの性かガウェインの操縦がだいぶ荒れたC.C.。 結果、見事に墜落する羽目になったのだ。 むしろ、コレで怒っていなかったら完全に聖人君子の領域である。 以上のような理由から何処だかわからない島へと墜落したルルーシュとC.C.。 それゆえに、平日に海岸を歩くような事態となっているのだ。 なお、C.C.と手を繋いでいる理由はフラフラとどこかへ行ったり勝手に休んだりするのを防ぐためである。 「だが、実際問題どうするんだ、ルルーシュ?  助けを呼ぶなりガウェインを修理するなりしないと帰ることすらできないんだぞ?」 さすがに、全面的に悪かったという自覚があるため、ある程度はおとなしくしていたC.C.。 しかし、ルルーシュと共に回っていて気付いたがこの島は無人島のようであり、何か手を考えないといけないのも事実。 「そんなことは判っている! だが、修理しようにも道具も何もないから出来ないだろうが。  無人島とはいえ、人の手が入った形跡はあるんだ。なら、無線機か何か残っている可能性がないわけではない」 とはいえ、そのことに気付いていないルルーシュではない。 言葉どおり、無人島の割りに道があったりと、人の手が入った形跡があり、そこに期待しているのだ。 そんな調子で探索を続けること数十分。 いい加減な無理かも、と感じ始めたときに耳に入る、がさがさと草むらを掻き分ける音。 音と気配により、咄嗟に身構える2人の前に現れるのは予想外なことに亜麻色の髪の少女。 どこかで見た顔だなと2人が考えていると少女が先に動いた。 「やっぱり、ルル兄だー!」 思わず、はぁ? と声を出す2人。 そして、掛け声と共に抱きつかれ、倒れるルルーシュ。 呆気に取られる2人だがよく見るとその少女の正体に気付く。 『ユイ!?』 はいですー。と元気いっぱいに答える少女の正体はルルーシュの異母妹、ユイ・ノ・ブリタニアであった。 ―オマケ― 「ただい…!?」 「? どーしたルルー……!?」 色々あったがユイのお蔭で、帰宅できた2人。 だが、苦労の末、帰った2人が見たのは強力なプレッシャーを纏った笑顔のナナリーwith冷たい視線。 思わず、回れ右をして逃げ出したかったが、ぐっと堪えて入るルルーシュと、 逃げるタイミングを逃しルルーシュに引きずられて入るC.C.。 ―――朝帰りのお兄様とC.C.さん、言いたいことはありますか? ステキな笑顔と共に告げられたその言葉によって、生まれて初めて、愛しい妹を怖く感じるルルーシュであった。 なお、後日有能メイドである咲世子さんが自室で自己暗示にふける姿が確認された気がするのは―――きっと気のせい。



某チャットで仲良くさせてもらってる水無月さんから素敵小説をいただいちゃいましたーv
ちょ・・・このユイ・ノ・ブリタニアの元になってるのってもしかしなくても私じゃ(ry
ともあれ朝帰りのルルとC.C.、シチュ的に大変おいしゅうございますwwwナナリー・・・恐ろしい子!www
水無月さんの描かれるルルCは可愛くて大好きですv水無月さん、素敵小説をありがとうございました!


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